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新入社員に教育したい『スマイルとアイコンタクトの習慣』

2014/03/17

もうすぐ4月。各企業では新入社員を迎える準備に忙しい時期である。ところであなたの会社では、新入社員に対してどのような教育・研修を行っているだろうか。
新入社員に対しては実務を教える前に、社会人としての「基本的なマナー」「好ましい考え方、習慣」をしっかりと教育することが重要である。新しく社会に出た人材に身に付けさせなければならない「好ましい考え方、習慣」は多数あるが、なかでも必要性が高いにもかかわらず十分に教育されることが少ない習慣がある。『スマイルとアイコンタクトの習慣』である。

 一般的に、「スマイル」と「アイコンタクト」はサービス業で用いられる基本動作といわれる。お客様に対しては「目を見て、笑顔で対応する」ことが、質の高い顧客サービスを実現するためには必須である。しかしながら、この習慣はサービス業だけに必要な特殊な行動ではなく、どのような企業・組織で働く方にとっても、ぜひとも身に付けたい「重要なスキル」である。

 日常における上司、同僚、部下とのやり取りの中で、『スマイルとアイコンタクトの習慣』が徹底されている職場には、業種・職種にかかわらず、明るく、前向きで、積極的な雰囲気が漂う。社員のモチベーションが高く、難しい問題が発生した場合にも、皆が協力して積極的に取り組むという好ましい環境が構築できている。

 「スマイル」と「アイコンタクト」には職場の雰囲気を改善し、相手の行動を変える力があるからである。つまり、好ましい組織風土、企業文化を構築する第一歩が、全社員の「スマイル」と「アイコンタクト」といえる。

 「スマイル」と「アイコンタクト」が行われない職場は沈滞し、社員間での好ましい連携が生まれにくい傾向にある。このような職場では社員のモチベーションが低く、「離職率が高い」「だれも責任を取らない」「出る杭は打たれる」「自分の損得で動く」などの状況に陥っているケースも少なくない。

 部下が「おはようございます」と挨拶をしても、下を向いたまま「おはよう」と答える上司。「○○君、チョット」と上司に呼ばれても、ニコリともせず無表情のまま「何でしょうか」と答える部下。このような組織で、やりがいを感じながら気持ちよく働けるわけがない。

 企業によっては新入社員に挨拶を指導する際、挨拶の“意味”や「スマイル」と「アイコンタクト」を教えず、単に「おはようござまいす!」「ありがとうございます!」と大声で唱和をさせる研修を行うケースがある。そのような教育を受けた人材が配置された職場を見ると、社員たちは無表情で大声を張り上げて挨拶をしていたり、目を合わせずに別の作業をしながら挨拶をしていたりする。これでは挨拶の意味をなさず、相手の心を動かすことも職場の力を結集することも望めない。

 『スマイルとアイコンタクトの習慣』は、人と人との関係を良化する「コミュニケーション技術」のひとつである。だからこそ、新社会人に対する『スマイルとアイコンタクトの習慣』の教育は、ぜひとも取り入れたい項目である。ただし、配属先の上司や先輩社員がこの習慣を身に付けていないと、研修を受けた新入社員も徐々にやらなくなってしまう。その意味では、新入社員の指導的立場である上司、先輩社員も、自身の「スマイル」と「アイコンタクト」を見直すのに良い機会が、新入社員の受け入れ準備を行っている、まさしく今の時期である。

 このコラムを読んでくださった皆さんも、次に出勤をしたときから、ぜひ、上司、部下、同僚に対して目を見て笑顔で対応することを試してみてほしい。あなたに対する相手の反応が徐々に変わることに、きっと気付くはずである。

コンサルティングハウス プライオ 代表 大須賀信敬
(中小企業診断士・特定社会保険労務士)

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